


倉俣史朗(1934–1991)
ポストモダン以降の日本デザインを代表する存在である倉俣史朗は、詩的感性とユーモア、そして「非物質性」への探求によって20世紀デザインの常識を覆しました。代表作である《How High the Moon》やバラを封じ込めた《Miss Blanche》、そして全面ガラスの《Glass Chair》など、軽やかさと透明性を追求した作品は今なお世界中のクリエイターに影響を与えています。
日本の静謐な美と西洋の技術的実験精神を融合させた倉俣は、夢と現実のあわいに漂うような「デザインの詩学」を築き上げました。1980年代にはエットレ・ソットサス率いるグループ「メンフィス」に参加し、現代デザインの新たな地平を開きました。
パリでいくつかの印象的な展覧会を開催した後、1990年にフランス文化勲章「シュヴァリエ・デ・ザール・エ・レトル」を受章。彼の作品は現在、ニューヨーク近代美術館(MoMA)やパリ装飾美術館など、世界有数の美術館に所蔵されています。
デイヤン・スジック氏によるモノグラフ、待望の再版
長らく絶版となっていたデイヤン・スジック氏による倉俣史朗のモノグラフが、ついに再版されます。本書は英語で出版された唯一の倉俣作品集であり、希少性から中古市場では2,000ユーロを超える価格で取引されることもありました。
この再版を実現させたのは、アペサントゥール代表の小室あかね氏。出版社フェイドンに再版の意義を直接提案し、世界各国の主要機関・コレクターから賛同を得て、今回の再出版と記念イベントの開催へとつなげました。
パリでの特別イベント
パリでのローンチイベントでは、老舗書店ガリニャーニとギャルリー・イヴ・ガストゥの協力により特別展示を実施。著者デイヤン・スジック氏が登壇し、さらにデザイナーのフィリップ・スタルク氏 および伊東豊雄氏 がこの日のために収録した 特別メッセージ映像が上映 されます。
また、小室氏は サザビーズ・パリと連携し、《Miss Blanche》チェア(11月20日〜24日展示)とともにモノグラフを紹介する特別企画 を実現しました。書籍と代表作が呼応する、貴重なプレゼンテーションとなります。
本イベントには、イギリス・フランス・日本から倉俣氏と親交を持ち、彼の思想を深く理解する著名な方々が参加。これまで語られることの少なかった視点を通じ、倉俣史朗という存在を改めて見つめ直す機会となります。
倉俣史朗の精神を現代へ
小室氏は、倉俣の普遍的なメッセージをより多くの人に届けることを目指し、本書とイベントを通じて「思考と感性が響き合う場」を創出します。
– モノと人との間に対話を生み出し、倉俣の世界観に共鳴する人々をつなぐこと
– 「アペサントゥール(無重力)」という体験を通して、心を穏やかにし、夢を思い出す時間を提供すること
アペサントゥールは、境界やヒエラルキーを超え、平和・優しさ・自由を象徴する理念です。
「ゆとり(間)」とは、感性・人間性・環境・時間に向き合い、心に豊かさと静けさをもたらす空間を意味します。
開催概要
日時: 2025年11月26日(水)19:00–21:00
会場: Galerie Yves Gastou(12 rue Bonaparte, 75006 Paris)
形式: 著者デイアン・スジック氏(英国人ジャーナリスト、2006年から2020年までロンドン・デザイン・ミュージアム館長、現名誉館長)によるトークセッションとサイン会
特別映像: フィリップ・スタルク氏および伊東豊雄氏 による特別収録メッセージ
主催: アペサントゥール(代表:小室あかね)
特別展示: サザビーズ・パリとの協働により、《Miss Blanche》チェア(11月20日〜24日展示)とともにモノグラフを紹介
お問い合わせ: contact@apesanteur.eu
CEFJ会員枠: 20名(入場無料)
署名本: 数量限定・事前予約制
このイベントが、倉俣史朗の作品と精神を再び光のもとへ導き、日仏のデザイン文化をつなぐ架け橋となることを願っています。







